死亡した人の預金をおろした罪とは?バレる理由と逮捕・訴訟リスク
ネット上の情報や知人からの聞きかじりで広まっている情報の中には、重大な法的誤認が数多く含まれています。ここで代表的な誤解の真相を整理しておきます。
誤解1:「生前に親から『これで葬儀を出せ』と暗証番号を渡されていたから合法である」
真相:完全な誤りです。生前に締結された委任契約や代理権は、民法111条および653条により「本人の死亡」によって法律上当然に終了します。本人が死亡した瞬間に代理権は消滅するため、たとえ生前の口頭約束やメモがあっても、死後にカードを使って出金する権限は法的に存在しません。
誤解2:「引き出したお金を1円も使わず、仏壇や金庫に現金のまま保管していれば罪にならない」
真相:出金した事実そのものが、金融機関に対する不正な権利行使、あるいは他の相続人の共有持分に対する侵害とみなされます。タンス預金として保管していても、税務署からは「意図的な資産隠蔽」と判定され、重加算税の対象となります。
誤解3:「葬儀費用であれば、どんな形式の領収書でも裁判所で全額認められる」
真相:裁判実務において、遺産から当然に控除できる「葬式費用」の範囲は厳格です。火葬費用や基本的な通夜・告別式の費用は認められやすい一方、過大な戒名料、初七日以降の法要費用、墓石・仏壇の購入費用、香典返しの費用などは「喪主個人の自己負担」と判断され、引き出した遺産からの支出が否認されるケースが多々あります。
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