なぜあの人は食べても太らない?痩せ体質の科学的真相と後天的な作り方
「たくさん食べても太らない体質の人との決定的な違いは一体なぜなのか」という長年の疑問に対し、近年の代謝内分泌学は複数の明確な回答を提示しています。多くの人が想像する「基礎代謝が桁違いに高い」「消化管から栄養が全く吸収されずに排出されている」といった極端な現象は、特定の消化器疾患を除いて健常者ではほとんど見られません。
肥満関連遺伝子(FTO遺伝子やβ3アドレナリン受容体遺伝子など)の解析研究によると、体型や代謝傾向に対する遺伝の寄与度はおよそ30〜40%と算出されています。つまり、残りの約60〜70%は後天的な環境要因や生活習慣、生体反応の差によって形成されているのが事実です。同体格・同筋肉量における基礎代謝の個体差自体は、1日あたり100〜200kcal(おにぎり1個分程度)の範囲に収まることが計測データで実証されています。
では、どこで劇的な消費エネルギーの差が生じているのでしょうか。その最大の鍵を握るのが、運動以外の日常動作で消費される熱量「NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis:非運動性熱産生)」です。米国メイヨー・クリニックのジェームズ・レヴァイン博士らの実験では、過剰なカロリーを摂取させた際、体重が増えにくい人は無意識のうちに姿勢を正す、貧乏ゆすりをする、立ち上がって歩き回るなどの微細な身体活動を増やし、1日最大350〜800kcalもの熱を自動的に放散していることが判明しています。
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