噛むとこめかみが痛い原因は?顎関節症や危険な病気の見分け方と対策
Q1:こめかみを押すと痛い場合、自分でマッサージしても大丈夫ですか?
A1:強い力での指圧や激しいマッサージは逆効果です。側頭筋は繊細な筋線維で構成されているため、力を込めて押すと筋線維を傷め、かえって痛みが慢性化します。マッサージを行う際は、手のひらの肉厚な部分(手根部)をこめかみに軽く当て、頭皮を円を描くように優しく1〜2分揺らす程度に留めてください。強い圧痛がある急性期は触らず安静に保つのが原則です。
Q2:噛むとこめかみだけでなく耳の前までズキズキ痛みます。何が起きていますか?
A2:耳の穴のすぐ前(約1cm前方)には顎関節が存在します。噛む動作に伴って耳の前からこめかみにかけて痛む場合、顎関節症による関節円板のずれや関節包の炎症、あるいは下顎を支える外側翼突筋・側頭筋の複合的な炎症が強く疑われます。耳鼻咽喉科の病気(外耳炎や中耳炎)と混同されやすいですが、耳を引っ張っても痛まず咀嚼時だけ痛むなら、まずは歯科・口腔外科の受診をお勧めします。
Q3:市販の頭痛薬を飲んでいれば自然に治りますか?
A3:一時的な鎮痛効果は期待できますが、根本的な解決にはなりません。顎関節の構造異常、睡眠中の歯ぎしり、噛み合わせの不具合、あるいはTCH(歯列接触癖)といった物理的な過負荷が続いている限り、薬効が切れれば痛みは再発します。さらに、原因が側頭動脈炎のような血管炎であった場合、市販のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)では病態を抑え込めず、重大な視力障害に至る危険があります。漫然と薬に頼るのは避けてください。
Q4:片側だけが痛むのは噛み癖が関係していますか?
A4:大いに関係しています。食事の際に右側または左側だけで噛み続ける「偏咀嚼(へんそしゃく)」があると、よく使う側の側頭筋ばかりに筋疲労が蓄積し、片側のこめかみ痛を引き起こします。また、使っていない側の顎関節が緩んで噛み合わせが狂うという悪循環も生じます。さらに片側だけの虫歯や親知らずの炎症が神経を介してこめかみに放散している可能性もあるため、片側性の痛みは歯科での詳細な口腔内チェックが必要です。