サモトラケのニケの顔はどんな姿?失われた頭部の謎と復元予想
そもそも『サモトラケのニケ』が意味するものとは何だったのでしょうか。ギリシャ神話に登場する「ニケ(Nike)」は、戦いや競技における「勝利の女神」です。現代の世界的なスポーツブランド「NIKE(ナイキ)」の社名やロゴマーク(スウッシュ)も、このニケの翼からインスピレーションを受けて誕生したことは広く知られています。
サモトラケ島に設置されたニケ像は、紀元前2世紀初頭に起きた海戦(ロードス島軍がシリアのアンティオコス3世艦隊に勝利した戦いなど諸説あり)の勝利を神に感謝するために捧げられた巨大なモニュメントでした。
激浪を越えて軍船の舳先(へさき)に降り立ち、いま翼を畳もうとする劇的な一瞬。風を孕んで波打つ薄い衣のリアルな質感は、大理石という硬質な素材であることを忘れさせるほどの生命感を放っています。なお、現在ルーヴル美術館で見られる右側の翼は、発見された左翼の破片をもとに石膏で反転複製された復元ですが、左右揃った雄大な翼の広がりこそが、勝利の歓喜を今に伝える最大のシンボルとなっています。
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