堺正章の歌はなぜ心に響く?名曲『さらば恋人』から現在の歌声まで徹底解剖
堺正章の本格的な歌手活動の経歴は、1960年代後半のグループサウンズ(GS)ブームの頂点に君臨した「ザ・スパイダース」のリードボーカルとして幕を開けました。喜劇王・堺駿二を父に持ち、幼少期から舞台空間の空気を肌で知っていた彼は、井上順との絶妙なツインボーカルとコミカルなMCで一躍トップアイドルとなります。
当時、バンドの音楽的頭脳であったかまやつひろし(ムッシュかまやつ)が提示する最先端のリズム・アンド・ブルースやビート・ミュージックを、堺は持ち前のリズム感で見事に歌いこなしました。『夕陽が泣いている』『風が泣いている』といったザ・スパイダースの名曲群において、堺のボーカルは単なるロック少年の枠を超え、どこか切なさを漂わせる唯一無二の響きを放っていました。
1970年のバンド解散後、堺は本格的にソロシンガーとしての道を歩み始めます。その際、彼の才能を最大限に引き出したのが、かまやつひろしの楽曲をはじめとする当時の気鋭のクリエイターたちでした。GS時代の熱狂を通過したことで培われたステージ度胸とリズム感は、その後のソロ黄金期を切り拓く強固な礎となったのです。
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