濱口竜介と役所広司が挑む衝撃作!『良いことと悪いこと』の真実
本作をひとつの既存ジャンルに当てはめることは容易ではない。濃密な人間模様を描くヒューマンドラマでありながら、一瞬たりとも気が抜けない息詰まるサスペンスとしての側面を強烈に併せ持っているからだ。登場人物たちの誰もが完全な善人でもなければ、純粋な悪人でもない。
日常のふとした隙間に生じる歪みが、やがて取り返しのつかない事態へと発展していくプロセス。その静かな恐怖を淡々と追いかけるカメラワークが、観る者に自らの価値観を問い直させる。スクリーン前の観客自身が事件の目撃者であり、同時に裁きを下す裁判官であることを強いられるのだ。
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