Asdの障害者手帳取得で何が変わる?メリットと落とし穴を徹底解説

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なぜ今、30代や40代になってから手帳を取得する人が増えているのでしょうか。大人の発達障害における手帳取得の経緯を取材すると、典型的なライフステージの転換点が見えてきます。新卒採用時には持ち前の集中力や知的好奇心で乗り切れたものの、昇進に伴い「部下の育成」「マルチタスクの同時進行」「雑談や根回しによる社内政治」を求められる中間管理職へ到達した段階で適応不全を起こし、心療内科へ駆け込むパターンです。

ある大手IT企業でシステムエンジニアを務めていた30代後半の男性当事者は、自身の手記でその苦悩を次のように告白しています。

「コードを書く作業では誰よりも高いパフォーマンスを出せていたのに、プロジェクトマネジメントを任された途端、他人の感情の機微が読めず、納期管理がパニックに陥った。毎晩のように自分を責め続け、重度の適応障害で休職。医師から告げられた『自閉スペクトラム症』という診断名は、ショックであると同時に、これまでの人生の生きづらさの謎がすべて解けた瞬間でもあった。手帳を取ることで社会から脱落するような偏見を持っていたが、実際に取得してみると『自分の特性に合わない戦い方を降りるための免状』を手に入れた感覚だった」

厚生労働省が公表した雇用状況の集計データによると、精神障害者・発達障害者の雇用数は右肩上がりの推移を記録し続けています。法定雇用率の達成を急ぐ企業側では、障害者雇用枠において「定型的な業務をコツコツと正確にこなすASD人材」を積極的に採用する動きが活発化しています。

ただし、美談ばかりではありません。一般枠から障害者雇用枠へシフトした際、年収水準が300万円台前半あるいはそれ以下へと大きくダウンするケースが依然として多い点は直視すべき現実です。一方で、残業の制限、業務マニュアルの明文化、曖昧な指示の排除といった「合理的配慮」が法的に担保されるため、二次障害による精神科への再入院リスクを劇的に低下させられるというトレードオフが存在します。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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