どぶろっくの現在と知られざる経歴|天才的歌唱力と王者ネタの真相
どぶろっくの歩みを振り返る上で外せないのが、2013年の大ブレイク作『もしかしてだけど』と、2019年の『キングオブコント』優勝ネタという2大転換点です。
佐賀県基山町で生まれ育った2人は、大学卒業後に役者志望だった江口が森を誘う形で2004年にコンビを結成しました。名門芸能事務所である浅井企画に所属後、しばらくは鳴かず飛ばずの時期が続きましたが、江口が日常の妄想をメロディに乗せ、森がアコースティックギターで端正に伴奏するスタイルを確立。『もしかしてだけど』は「女が俺に気があるのではないか」という男の滑稽な勘違いをキャッチーなラテン調ロックに乗せて歌い上げ、社会現象とも呼べるブームを巻き起こしました。
しかし、歌ネタ芸人の宿命として「一発屋の危機」が囁かれた時期もありました。その懸念を完全に吹き飛ばしたのが、2019年のキングオブコント決勝です。披露されたのは、ミュージカルの神聖な祈りを思わせる壮大なバラード調のコント――いわゆる『大きなイチモツをください』でした。
神様と森の住人のやり取りという寓話的な設定を用いながら、誰もが予想しない欲望を圧倒的な美声で歌い上げる構成は、審査員を務めた松本人志をはじめとするトップクリエイター陣を唸らせました。「バカバカしい歌詞を、世界最高峰のオペラのように歌い上げる」という落差(ギャップ)の妙。綿密に計算されたコード展開とハーモニーの美しさが、審査基準の厳しいコント賞レースの頂点へと彼らを押し上げたのです。
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