国家が隠した地獄。兄弟福祉院事件の闇と最新証言が暴く戦慄の実態
この悲劇を急速に拡大させた最大の社会的背景には、当時の軍部独裁政権による「社会浄化」政策が存在する。全斗煥政権は、88年ソウルオリンピックの開催を控え、海外に対して「整然とした先進国」のイメージをアピールすることを最優先課題に掲げた。その裏で推進されたのが、路上から貧困層や街頭生活者を一掃する暴力的な取り締まりである。
国家の内務部訓令第410号に基づき、各地の治安維持名目で人々が容赦なく捕らえられた。その受け皿として機能したのが兄弟福祉院であり、政権の政治的欲望と都市開発の欲望が犠牲者たちの人権を根底から踏みにじった。国家の威信というまやかしのために、名もなき人々が人権侵害の犠牲となり、人生のすべてを奪われたのだった。
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