甲状腺全摘出で「後悔」の嵐?一生涯の服薬と身体変化のリアル
なぜ全摘出を選んだ人々は後悔するのか。最大の要因は、全身の代謝を司るホルモン工場を根こそぎ失うことにある。
第一に、一生涯のホルモン補充療法が不可欠になる点だ。毎朝決められた時間に薬を飲み続けなければ、生命を維持できないという精神的なプレッシャーは想像以上に重い。第二に、声の症状である。手術中に反回神経を損傷しなくても、組織の癒着や微細な神経の剥離によって、高音が出なくなったり、かすれ声が戻らなくなったりする。声を使う職業の人間にとっては死活問題だ。
第三に、コントロール不能な体重変化と代謝低下だ。どんなに食事制限をしても体重が落ちにくくなり、顔や足の浮腫(むくみ)が取れない。さらに、副甲状腺も同時に摘出・再植された場合、カルシウム代謝の異常による手足の痺れや強い不安感に襲われる。命は助かった。しかし、失ったものの大きさに直面したとき、患者の葛藤はピークに達する。
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