モアイ像に足はあるのか?地中に眠る胴体の真相と最新発掘の全貌
「大半のモアイに足はない」と前述しましたが、実は島内で完全に足を折り曲げて「正座」しているモアイ像が1体だけ発見されています。それが、採石場であるラノ・ララク火山の南東斜面に鎮座する「トゥクトゥリ(Tukuturi)」と呼ばれる像です。
トゥクトゥリは、1950年代にノルウェーの探検家トール・ヘイエルダール率いる調査隊によって掘り起こされ、その特異な姿で考古学界を震撼させました。一般的なモアイ像が無表情で角ばった顔立ちをしているのに対し、トゥクトゥリには以下のような決定的な違いが存在します。
最大の特徴は、両膝をついて正座し、臀部をかかとに乗せて手を膝の上に置いた姿勢が明確に造形されている点です。さらに、顎には豊かな髭が蓄えられ、顔立ち全体が極めて写実的で丸みを帯びています。素材も通常のモアイ(凝灰岩)とは異なり、赤みがかった火山岩(プカオなどに使われるスコリア)が用いられています。
現地ラパ・ヌイの言葉で「トゥク・トゥリ」とは「膝をつく」「しゃがむ」を意味し、伝統舞踊の歌い手や聖なる儀式の祈り手を模したものではないかと推測されています。作られた年代はモアイ製造の後期(あるいは先駆的な初期)と諸説ありますが、この像の存在こそが「モアイ像に足があるのか」という問いに対する最も劇的な回答といえます。
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