コールドスリープの現実とは?人体冷凍の費用や成功例の真相に迫る
ネット上の噂やまとめサイトで散見される「密かに蘇生に成功した富豪がいる」「実験で目覚めた被験者が存在する」といった情報は、事実なのでしょうか。
結論から申し上げれば、人体冷凍保存後に蘇生を遂げた人間は、歴史上ただの一人も存在しません。1967年に世界で初めてクライオニクスによって保存されたアメリカの心理学者、ジェームズ・ベッドフォード博士をはじめ、現在も施設で保存されている400名以上の遺体は、文字通り「保存されたまま」過去から眠り続けています。
人間規模での蘇生例は皆無ですが、実験室レベルの生物組織においては劇的な成果が報告されています。
線虫やヒト受精卵(胚)、初期段階の臓器切片、実験用小動物の脳組織の一部を冷却し、生理機能を損なわずに復元する実験は幾度も成功を収めてきました。2010年代以降には、超低温保存されたウサギの脳を無傷で解凍し、シナプス結合の完全な維持を確認した研究がサイエンス界を驚かせました。
臓器単体やごく微小な組織の保存技術は前進しているものの、一度冷却した約60兆個の細胞からなる成人人体を均一に再加温し、心停止と脳死から生命活動を再起動させる蘇生技術は、いまだ理論の構築ステージにとどまっているのが科学界の共通見解です。
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