愛憎劇の果てに辿り着いた境地とは?瀬戸内寂聴が遺した最期の真実

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1973年11月、平泉・中尊寺。世間を震撼させた51歳の得度は、決して穏やかな悟りの産物などではなかった。夫と幼子を捨てて年下の青年と出奔し、作家となってからは妻子ある作家との泥沼の三角関係に身を焦がした彼女にとって、出家とは生き延びるための最後の逃走劇であり、同時に凄絶な背水の陣だった。

多くの寺院が世評を恐れて入門を拒絶するなか、その業の深さごと引き受けたのが、同じく異端の作家僧侶であった今東光だった。彼が属する天台宗の門戸を叩き、「寂聴」の名を授かった瞬間、彼女は自らの過去を清算したのではない。むしろ背負った業をすべて抱えたまま、仏の道という新たな表現の舞台へと跳躍したのだ。髪を剃り落とした頭に触れながら浮かべた彼女の微笑には、世俗の倫理を置き去りにした表現者としての覚悟が宿っていた。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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