白金か青黒か?世界を二分したドレス錯視の真相と科学的理由を徹底解剖
この奇妙な現象の核心にあるのが、人間の脳に備わっている「色の恒常性(Color Constancy)」という視覚補正機能です。
私たちの目は、物体そのものの色をそのまま見ているわけではありません。物体に反射した「光」が網膜に届き、それを脳が処理して「色」として認識しています。日常生活において、同じリンゴでも夕暮れ時と真昼の太陽の下では反射する光の波長が異なりますが、脳が無意識に「照明光の影響」を差し引いて補正するため、私たちはどちらの状況でもリンゴを「赤」と認識できます。
しかし、話題となったドレスの写真は、スマートフォンで露出オーバー気味に撮影されており、背後から強い逆光が差し込んでいました。その結果、被写体が「青みがかった自然の影の中にあるのか」、それとも「黄色みを帯びた人工照明に照らされているのか」、脳にとって手がかりが極めて曖昧な画像になっていたのです。
脳が画像をどう解釈したかによって、見え方は以下のように完全に分岐します。
①「青い影の中にある」と脳が判断した場合(白金に見える):
脳は「青っぽい光(環境光)が全体にかかっている」と解釈します。そのため、青い光を無意識に引き算して補正した結果、ドレスの青い生地を「白」、影でくすんだ黒いレースを「金色」として知覚します。
②「黄色い照明に照らされている」と脳が判断した場合(青黒に見える):
脳は「白熱灯などの黄みがかった光が当たっている」と解釈します。黄色い光を差し引いて補正するため、画面上の色をそのまま実物に近い「青」と「黒」として知覚します。
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