球界を揺るがした野球賭博の全真相|失格処分選手の現在と巧妙な手口
日本プロ野球の歴史を振り返ると、賭博と八百長の罠によって球界が壊滅的な危機に瀕した前例があります。それが、1969年から1971年にかけて吹き荒れた「黒い霧事件」です。
発端は、西鉄ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)の投手陣が暴力団関係者から金銭を受け取り、意図的に試合を負けさせる八百長を行っていたスクープでした。当時の捜査と調査は西鉄にとどまらず、中日ドラゴンズ、阪神タイガース、大洋ホエールズ、東映フライヤーズなど球界全体へ波及。国家公安委員会や検察も動く大疑獄事件へと発展しました。
この事件では、エースとして輝かしい実績を誇っていた池永正明氏をはじめ、多くの主力選手が球界を永久追放される事態となりました(※池永氏の処分は不当と訴えが続けられ、没後の名誉回復を経て、生前の2005年に失格処分が解除されました)。日本プロ野球機構は反省を踏まえ、野球協約第180条に「賭博行為の禁止」、第177条に「不正行為の禁止」を明確に定め、反社会的勢力との接触を厳罰に処す方針を打ち立てたはずでした。
それから半世紀近くが経過した2015年の巨人事件は、過去の凄惨な教訓が風化していた実態を浮き彫りにしました。昭和の黒い霧が「八百長ありき」でスタートしたのに対し、平成の事件は「選手自身の趣味や娯楽の延長」から暴力団の資金洗浄・利益供与のネットワークへ取り込まれたという時代背景の違いがあります。しかし、ルールを守るべき公正な競技者が裏社会へ資金を流出させた背信行為の重さは、球界の歴史に再び深い汚点を残す結果となりました。
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