白豪主義の真実:豪州排他政策の裏側と撤廃に至る知られざる歴史
あからさまな人種差別規定を法律に書き込めば、当時の宗主国イギリスの外交政策や英領インドとの関係に悪影響を及ぼす。そこで連邦政府が編み出した裏技が「書き取りテスト(Dictation Test)」である。入国審査官は、渡航者に対して「ヨーロッパの任意の言語」による50文字の書き取り試験を課す権利を与えられた。
この仕組みは悪質を極めた。英語を完璧に解するアジア系渡航者に対し、審査官は敢えてゲール語やギリシャ語、あるいは聞き慣れない小言語で問題を読み上げたのである。合格者は実質ゼロ。差別という直接的な言葉を一言も使わずに特定の種族を追い払う手口は、世界で最も冷酷な行政手腕として機能した。
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