渡辺真起子の剥き出しの身体表現!カンヌを震撼させた名演の全貌
渡辺真起子の映画史における決定的な転換点といえば、1999年に公開された諏訪敦彦監督の傑作『M/OTHER』を挙げないわけにはいかない。本作は台本を用意せず、俳優たちの即興対話と生々しい生活のリアリティを長回しで捉えるという、極めて尖った手法で製作された。同棲生活を送る男女の間に相手の連れ子がやってくることで生じる摩擦や戸惑いを、彼女はまさに全身全霊で体現した。
スクリーンに映し出されたのは、作り物めいたドラマではない。生身の人間が他者と暮らす中で晒してしまう、無防備な肉体と精神の揺らぎそのものだった。衣服を脱ぐシーンに漂うのは作為的なエロティシズムではなく、日常の延長にある残酷なまでのリアルさだ。第52回カンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞した際、世界の批評家たちが瞠目したのは、その徹底したリアリズムを支えた渡辺真起子の圧倒的な存在感だった。
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