現代スーツの原点!18世紀フランス宮廷服アビ・ア・ラ・フランセーズ
アビ・ア・ラ・フランセーズの最大の特徴は、計算された「3点セット(アンサンブル)」の組み合わせにあります。この構成こそが、現代のテーラードスーツにおける「ジャケット・ベスト・トラウザーズ」の直接的な祖形となりました。
基本構成を形作るのは、以下の3つの要素です。
① アビ(Habit / 旧称:ジャストコール)
アンサンブルの最外層に羽織る上着です。17世紀後半の「ジャストコール」から発展し、前身頃は身体にぴったりと沿いながら、ウエストから下にかけて大きく広がる優美な裾(フレア)を持っています。18世紀半ばには、中に着るジレを見せるために前ボタンを留めずに開けて着用するスタイルが定着しました。
② ジレ(Gilet / 旧称:ヴェスト)
アビの下に着用する中着です。17世紀には袖付きで膝丈まである長いベストでしたが、18世紀を通じて徐々に丈が短くなり、袖が取り払われて現代のウエストコート(ジレ)の形状へと進化していきました。胸元と裾にはアビ以上に贅を尽くした刺繍が施され、視線を惹きつける装飾の中心となりました。
③ キュロット(Culottes)
膝下でバックル留めにするタイトな半ズボンです。身体のラインを美しく見せる立体裁断が施され、白い絹の長靴下(バ)とヒールのある革靴を合わせることで、貴族的な下半身のシルエットを完成させました。
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