阿蘇カルデラが育む銘酒れいざん、創業260年が魅せる真の地酒力

阿蘇カルデラが育む銘酒れいざん、創業260年が魅せる真の地酒力の全体像を詳しく解説してご紹介します。

熊本の日本酒を語る上で、「酒の神様」と称された野白金一(のじろ きんいち)博士の功績を抜きにすることはできない。熊本県酒造研究所の初代技師長として着任した野白博士は、温暖な九州において腐敗を防ぎ、かつ極上の芳香を生み出す低温長期発酵技術を確立した。そして、この研究所で分離・培養されたのが、全国の鑑評会を席巻した伝説の「熊本酵母(きょうかい9号)」である。

きょうかい9号酵母は、低温でも力強く発酵し、華美すぎない爽やかな吟醸香と引き締まった酸を生み出すのが特徴だ。現代の吟醸酒造りの礎となったこの酵母のDNAは、れいざんの仕込みタンクの中でも脈々と息づいている。

高森町の冬は九州とは思えないほど厳しく、氷点下まで冷え込む。この天然の冷蔵庫とも呼べる冷涼な気候が、熊本酵母のポテンシャルを極限まで引き出す。穏やかながらも芯の通った芳香、そして料理の脂や旨味をさらりと流す酸。科学の知見と阿蘇の寒冷なテロワールが奇跡的な調和を果たしている。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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