ルーヴルを制した書道家・中塚翠涛が語る美文字の極意と現代アート
多くの人々の記憶に強く残っているのが、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の題字である。激動の戦国時代を駆け抜けた武将たちの情熱と虚無感、そして混沌とした世界に一すじの光を求めるかのような気迫。あの躍動感と静謐さが交錯する題字は、中塚が長年追及してきた「墨象」の極致だ。
太く力強い線の昂ぶりと、消え入りそうなかすれの静寂。ひとすじの線の中に込められた呼吸の深さが、画面越しに見る者の胸を直接揺さぶった。伝統的な書き分けの技法を守りながらも、ドラマの作品世界と登場人物の感情の揺れを可視化させた手腕は、文字が秘める本来の生命力を日本中に再認識させた。
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