ロシア皇太子襲撃の衝撃から135年——「大津事件」が問い続ける司法独立の価値と国家の存亡
津田三蔵はなぜ、自らの職務を裏切ってまで北方の大国の皇太子を斬りつけたのか。取り調べに対し津田は、ロシアの東方進出に対する過剰な警戒感や、西南戦争に従軍して得た自らの勲章の価値がロシアへの迎合外交によって損なわれるという偏執的な危惧を口にしていた。沿道での歓迎ムードに対する反感も募らせていたとされる。
単なる狂人の暴動として処理することは容易だが、その背景には急速な西洋化と外圧に対する国民の過剰なナショナリズムの歪みが潜んでいた。個人的な主観的愛国心が、結果として自国を滅亡の縁に立たせるという皮肉な構造は、現代社会における極端な陰謀論の蔓延や、過激化した排外主義がもたらす安全保障上のリスクとも不気味に共鳴している。
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