過去の狂騒とそれぞれの現在地——「新井 浩文 二階堂 ふみ」映画史に刻まれた化学反応と、交錯したふたつの運命の行方
ふたりの本格的な演技の衝突を目撃したのは、2012年公開の映画『ヒミズ』だった。東日本大震災直後の混乱と無力感が漂う日本社会を背景に、極限状態に追い込まれた若者たちの叫びを描いた本作。新井浩文が演じた夜野正造と、二階堂ふみが演じた茶沢景子の間には、単なる共演者以上の、ヒリヒリとした生々しい空気が流れていた。
さらに2018年、岡崎京子の伝説的コミックを映像化した『リバーズ・エッジ』でもふたりは再共演を果たす。90年代の虚無感と欲望がうごめく世界観の中で、退廃的な若者たちの群像劇を見事に体現した。スクリーン上で二人が向かい合う瞬間、そこには演出を超えた独特の重力が生まれていた。互いの演技力を限界まで引き出し合うような緊張感こそが、作品の強度を高めていたことは疑いようがない。
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