「男は見るな」世界一怖い絵画の呪いと作者が仕掛けた心理の罠

「男は見るな」世界一怖い絵画の呪いと作者が仕掛けた心理の罠に関する最新の話題を分かりやすく解説いたします。

「呪い」のレッテルを貼られた作家たちは、オカルト的な好奇心とはまったく異なる文脈で筆を走らせていた。ビル・ストーンハムは自らの作品について、5歳で養子に出された自身の生い立ちと、現実世界と未知の可能性を隔てる「境界線」を描いたものだと明かしている。暗闇から伸びる無数の手は霊的な存在ではなく、選び取ることができなかった「無数の他の人生の可能性」のメタファーに過ぎなかった。

一方、日本において「見ると死ぬ絵」「男性が見ると呪われる」と無断で拡散されたのが、画家・人形作家の立島夕子による作品群である。『あたしは もう お嫁にはいけません』をはじめとする彼女のタブローは、自身が受けた苛烈な性暴力被害や精神的苦痛、生きることの過酷な痛みをカンバスに叩きつけた叫びそのものだ。

作家が命を削って表現した魂の告白は、文脈を奪われ、デジタル空間で「男性恐怖の呪い」という安易なホラーコンテンツへ都合よく消費されてしまった。グロテスクと評された色彩や造形は、トラウマを生き抜くための切実な抵抗の証だったのである。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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