上の書き順は縦が先?「下」との違いと大人が誤解する筆順の真実

上の書き順は縦が先?「下」との違いと大人が誤解する筆順の真実について知っておくべき ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

なぜ「上」は縦から書き、「下」は横から書くのか。その疑問を解消するためには、文字の起源である漢字の成り立ち(指事文字)と、常用漢字における筆順の基本原則を紐解く必要があります。

「上」と「下」は、具体的な形のない概念を記号的に表した「指事文字(しじもじ)」です。

  • 「上」のルーツ:古代の甲骨文字や金文では、1本の長い基準線(横線)を敷き、その「上側」に短い横線や印を置くことで高所・上方を示していました(「二」に近い形状)。これが篆書(てんしょ)や隷書(れいしょ)へと進化する過程で、基準線の上に垂直な柱を立てる形になり、現在の「上」へと変化しました。
  • なぜ縦が先なのか:文字の骨格として「主柱(縦画)」を先に立て、そこから右へ枝(短い横画)を伸ばし、最後に全体を支える台座(一番下の長い横画)を敷くという運筆が、毛筆において最も文字の重心を安定させやすかったためです。

昭和33年(1958年)に文部省が編纂した『筆順指導の手引き』では、筆順の基本原則として「上から下へ」「左から右へ」「横画と縦画が交差する場合は横画が先」などの大原則が示されています。

「上」は縦画と横画が完全に交差(クロス)しておらず、縦画に横画が接する構造(T字の逆など)をとるため、「主軸となる縦画を先に決める」という合理的な規則が適用されているのです。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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