六本木ヒルズを創った男・森稔の真実|波乱の生涯と都市再生の遺伝子

六本木ヒルズを創った男・森稔の真実|波乱の生涯と都市再生の遺伝子にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

森稔の都市づくりの真骨頂は、気の遠くなるような権利調整の現場にありました。その原点となったのが、1986年に開業したアークヒルズです。民間初の第一種市街地再開発事業として動き出したものの、密集した住宅地と入り組んだ利害関係の調整には、足掛け17年もの年月を要しました。

このアークヒルズで培った愚直な対話の姿勢を、さらに巨大なスケールで実践したのが六本木ヒルズです。1986年に東京誘導拠点地区に指定されてから2003年のグランドオープンまで、開発には14年の歳月が費やされました。計画地である六本木六丁目地区には、約400名・500件以上もの地権者が密集していました。商店の店主、古くからの住民、長年暮らしてきた高齢者など、それぞれが異なる人生と街への想いを抱えていたのです。

森稔は部下任せにせず、自ら住民の元へ何度も足を運びました。立ち退きを迫る「地上げ」ではなく、「あなた方の土地をお預かりして、一緒に以前よりも誇れる新しい街をつくり、ここに住み続けてもらう」という等身大の対話を1,000回を超える住民懇談会を通じて重ねます。最終的に地権者の約8割が再開発後の六本木ヒルズに戻るという、前代未聞の再開発を成し遂げた背景には、泥臭い人間関係の構築を厭わなかった森稔の凄まじい覚悟がありました。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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