フルカラーとは具体的に何色?RgbとCmykの違いと印刷の盲点
多くのクリエイターや企業広報担当者が直面する「印刷したら色が濁った、沈んだ」という現象には、明確な光学的理由が存在します。それがCMYKとRGBの違いに起因する、発色原理と再現色域(ガマット)の壁です。
RGBは加法混色と呼ばれ、テレビやスマートフォンの画面のように、光を重ねるほど明るくなり、最終的に「白」へと近づきます。対して、印刷のCMYKは減法混色であり、絵の具と同じくインキを塗り重ねるほど光を吸収して暗くなり、最終的に「黒」へと向かいます。この「重ねるほど明るくなる光」と「重ねるほど暗くなるインキ」という相反する物理的性質が、根本的な質感の違いを生み出します。
さらに深刻なのが、再現可能な色域の差です。国際標準であるsRGBやDisplay P3といったデジタル色空間と比較して、一般的な枚葉オフセット印刷の標準規格(Japan Colorなど)がカバーできる色域は大幅に狭小です。特に以下の色域において顕著な色化けが発生します。
・蛍光色や高彩度のネオングリーン・エメラルドグリーン
・突き抜けるような明るいシアン(空や南国の海の青)
・発光感のある鮮烈なピンクやパープル
これらの鮮烈な色彩は、RGB空間には存在しますが、CMYKインキの混色では物理的に光の反射率が足りず再現できません。RGBデータを適切な変換設計なしにCMYKに流し込むと、印刷プロファイルが「CMYKで再現可能な近似値の最も近い色」へと強制的に丸め込みます。これが、発注者が青ざめる色化けくすみ理由の正体です。濁りや褪色に見えるのは、光学的限界による不可避な彩度低下なのです。
タグ:
https://quote.absltd.co.uk/Japan-Foreign-Policy/9914078/