なぜ可愛いと噛みたくなる?キュートアグレッションの衝撃の真相を徹底解説

なぜ可愛いと噛みたくなる?キュートアグレッションの衝撃の真相を徹底解説について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

愛くるしい対象を前にしたとき、なぜ脳は正反対の「攻撃性」を繰り出すのでしょうか。この現象を世界で初めて学術的に体系化したのが、米イェール大学の心理学者オリアナ・アラゴン(Oriana Aragón)博士らの研究チームです。2015年に発表されたイェール大学の研究では、被験者に愛らしい乳幼児や動物の写真を見せた際、被験者が強い愛情とともに「歯を食いしばる」「握りつぶしたくなる」といった攻撃的表現を無意識に示すことが確認されました。

科学的に解明されたキュートアグレッションの理由の根幹にあるのが、二相反感情のメカニズム(Dimorphous Expression)です。人間は、極度の喜びに達したときに涙を流したり(嬉し泣き)、極度のパニックや恐怖に直面したときに失笑したりします。これと同様に、対象が「圧倒的に可愛い」と感じた瞬間、脳内の報酬系(側坐核など)から大量のドーパミンが放出され、情動処理を担う扁桃体が許容量を超えてオーバーヒートを起こします。

感情が飽和状態に陥ると、人間は相手の世話や保護といった現実的な行動が取れなくなってしまいます。そこで脳は、激しすぎるポジティブ感情を冷却し、冷静な平衡状態(ホメオスタシス)へ急速に引き戻すために、あえて正反対の「攻撃的衝動」を疑似シグナルとして発生させます。つまり、噛みつきたくなる衝動の本質は、愛情に押し潰されそうになった神経回路を守るための脳の防衛反応なのです。

さらに2018年、カリフォルニア大学リバーサイド校のカサリン・スタヴロプロス(Katherine Stavropoulos)博士が主導した脳波(EEG)研究では、被験者が強い愛らしさを知覚した際、脳の「報酬系」と「感情系」の双方が同時に激しく活性化している電気的証拠が捉えられました。衝動が強ければ強いほど、その人が対象を深く愛でているという皮肉かつ合理的な脳の適応戦略が証明されています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

タグ: https://teswebbsite.zzux.com/marugamecastle/8442996/