諏訪マタニティクリニックと雅子様を巡る報道の真相 医療倫理の壁
平成の皇室報道において、皇太子妃時代(現・皇后雅子様)の「ご懐妊問題」は全メディアが熾烈な取材合戦を繰り広げた最大関心事だった。宮内庁が過熱する報道陣に対して「静かな環境」を切望する異例の声明を繰り返す中、一部の大衆紙や週刊誌は全国各地の先端産婦人科へ取材の矛先を向けた。その標的の一つとなったのが、代理母出産や非配偶者間人工授精(AID)などで国内の生殖医療界を揺るがしていた諏訪マタニティクリニックである。
当時、従来の医療基準を超えて先進的な医療を提供していた同クリニックと院長の動きは、メディアにとって格好の題材だった。しかし、宮内庁関係者や医療ジャーナリズムのベテラン取材班の証言を総合しても、皇后雅子様と同院との直接的な関わりを示す客観的証拠は一切存在しない。先端不妊治療のパイオニアとしてのクリニックの有名性と、皇室の不妊治療に対する社会的な関心の高まりがネット空間で無作為に結合し、虚構の「噂」としてひとり歩きしたのが事態の真相だ。
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