スキー場の熊出没が相次ぐ理由|冬眠しない「穴持たず」の実態と対策
本来、ツキノワグマやヒグマは11月下旬から12月にかけて巣穴に入り、春先まで冬眠(冬ごもり)に入ります。しかし、スキー場の営業真っ只中である1月〜2月にゲレンデ内やリフト下で熊が徘徊する事案が確認されています。この異変を引き起こしている最大の要因が、越冬準備の失敗による「穴持たず(あなもたず)」の発生です。
野生動物の生態調査を行う専門機関や環境省の報告によると、秋季におけるブナ、ミズナラ、コナラなどの主食となる堅果類の不作が続くと、熊は冬眠に必要な皮下脂肪を蓄えることができません。十分なエネルギーを持たずに冬眠に入ると餓死するリスクがあるため、飢えた個体がエサを求めて雪上をさまよい続けることになります。
さらに、近年の気候変動による初冬の気温高止まりと降雪パターンの変化が重なり、冬眠のスイッチが入るタイミングが大きく遅退しています。スキー場は山林を切り開いて造成されているため、熊の本来の行動圏とダイレクトに隣接しています。レストランから漂う生ゴミの臭気や、レストハウス周辺の人工的な廃棄物も、飢餓状態にある熊をゲレンデ深くへ引き寄せる要因となっています。
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