なぜ金まで溶かす?王水の作り方と危険すぎる黄金比3対1の真実を徹底解説

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一般的に金や白金はイオン化傾向が極めて小さく、単独の強酸(濃塩酸、濃硝酸、濃硫酸など)に浸しても一切反応しません。濃硝酸単体では、金の表面をわずかに酸化することしかできず、平衡状態に達してそれ以上の反応が止まってしまいます。では、なぜ王水はこの限界を突破できるのでしょうか。

その鍵は、「濃硝酸による酸化力」と「濃塩酸から供給される塩化物イオン(Cl⁻)による錯体形成」の見事な連携プレーにあります。

金(Au)が王水に溶解する反応プロセスは、次の反応式で示されます。

$$ \text{Au} + 3\text{NO}_3^- + 6\text{H}^+ + 4\text{Cl}^- \rightarrow [\text{AuCl}_4]^- + 3\text{NO}_2 + 3\text{H}_2\text{O} $$

濃硝酸の酸化作用によって生じた金イオン(Au³⁺)に対して、周囲に大量に存在する塩化物イオンが瞬時に配位結合し、非常に安定な錯イオンであるテトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl₄]⁻)を形成します。この錯体形成によって水溶液中の遊離金イオン濃度がほぼゼロに保たれるため、ルシャトリエの原理に従って金の酸化溶解反応が連続的に右方向へ進行し続けるのです。

同様に、装飾品や排ガス浄化触媒に使われる白金(Pt)も、以下の白金の溶解反応式に従ってヘキサクロロ白金(IV)酸(H₂[PtCl₆])となって溶け込みます。

$$ \text{Pt} + 4\text{NO}_3^- + 8\text{H}^+ + 6\text{Cl}^- \rightarrow [\text{PtCl}_6]^{2-} + 4\text{NO}_2 + 4\text{H}_2\text{O} $$

産業界では、TANAKAホールディングスをはじめとする貴金属回収の現場において、この王水溶解プロセスが基幹技術として活用されています。溶解後の王水から金を回収する際は、煮沸加熱によって残留硝酸を完全に追い出した後、二酸化硫黄(SO₂)、シュウ酸、ヒドラジンなどの還元剤を投入して高純度の金属金を選択的に沈殿・精製します。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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