直木賞作家・朝井まかての魅力とは?異色経歴と傑作の真相を徹底解説

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朝井まかての名を一躍全国区へと押し上げた決定打が、2013年に発表され、翌2014年1月に第150回直木賞を受賞した『恋歌(れんか)』です。同作は第32回舟橋聖一文学賞もダブル受賞し、歴史時代小説界に鮮烈な衝撃を与えました。

本作の主人公は、幕末の激動期に水戸天狗党の乱へ身を投じた志士・林忠三郎の妻であり、後に歌人として樋口一葉の師となる中野昇子(中島歌子)です。過酷な時代の奔流に翻弄され、愛する夫を失いながらも、和歌の情念とともに凛として生き抜いた一人の女性の半生が描かれます。

朝井氏の真骨頂は、単なる歴史の再現にとどまらない点にあります。徹底的な一次史料の渉猟によって当時の空気感を肌感覚で再現しつつ、登場人物の胸中に渦巻く情熱や葛藤を、まるで隣で息遣いを聞いているかのように生々しく描き出す手腕は、選考委員からも絶賛を浴びました。『恋歌』は、歴史の影に埋もれがちだった女性の魂を救い出した、不朽のモニュメントと言えます。

森 瞳

森 瞳

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

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