富士の樹海で何が起きているのか?遺体捜索の最前線と禁足地の深層
青木ヶ原樹海における捜索活動は、山梨県警察と富士五湖消防本部、そして地元ボランティアの手によって人知れず継続されている。かつて秋の恒例行事のように報じられていた大規模な一斉捜索は、模倣自殺を防止する観点から公式な発見数の公表が控えられている。だが、捜索そのものが縮小したわけではない。
現場で長年にわたりパトロールを続けてきた地質研究者でボランティアの早野梓氏らは、森の異変を鋭く察知する。放置された車両、遊歩道の入り口に不自然に結ばれたロープ、枝に引っかかったコンビニ袋。これらはすべて、森の奥深くへ消えた者の足跡だ。捜索隊が足を踏み入れるのは、溶岩が冷えて固まった際にできた無数の空洞やクレバスが口を開ける危険地帯である。足場が崩れれば捜索隊員自身が命を落としかねない緊張感のなか、遺留品となったリュックサックや着衣を手がかりに遺体を見つけ出していく。
発見される遺体の状態は様々だ。木々に吊るされた状態で見つかるものもあれば、野生動物によって白骨化が進み、落ち葉に埋もれたわずかな骨片を回収する作業になることもある。発見された遺留品から身元を割り出し、家族へと引き渡すまでのプロセスは、関わる者の精神を容赦なく削る。
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